以前に書いたような事情で、見逃してしまったスケートカナダ男子シングルですが、テレ朝チャンネルの方で再放映がありました。しかも嬉しいことに、男子SPの放映もです。まあ、このヤクザな放映形態はどうにかならんか、とも思うのですが。
実況&解説がまともだったので聞きやすかったです。
<男子SP>
何故か第一滑走のチッパー選手のキスクラの画像からスタートします。なんでこんな中途半端なところから(生中継ってわけでもないのに)彼の成績は悪かったのならカットもわかりますが、むしろ良かったんです。思うんですが、これはテレビ朝日の編集ミスくさいですね。こーゆーところがいただけないんだよなあ。
ジュベールとバトルは以前書いたので今回は飛ばします。
ジャマール・オスマン スイス
先に中国杯の演技を見てしまったオスマン選手。「Ice Queen」に白い模様の入った臙脂の衣装です。
どうもリンクが狭いみたいですね。途中、壁にぶつかりそうになってしまっていました。アクセルがダブルなのは仕方がないとして、フリップで手をついたり、ステップでよろめいたりとミスが目だった気はします。スピンは綺麗なんですが。
ジェフリー・ヴァーナー アメリカ
二十歳なんですがもうすっかり大人の顔になっちゃったヴァーナー選手。衣装黒に銀ラメの入ったトップに黒のズボン。曲は「ドラリオン」
コンビは決まりましたが、アクセルが転倒。単独のフリップもダブルです。ジャンプのミスさえなければなあ……そうしたら、もうちょっと点数が取れたと思うんですが。なかなか弾けきれずにいる選手です。演技後悔しそうでした。
スコット・スミス アメリカ
策シーズンは凄い格好で出ていたような。今シーズンだとどっかのウェイターのように見えます。衣装は白いシャツに黒と紫のベストと黄のネクタイ。ズボンはストライプです。曲は「Night Train」
大技のクワドサルコウに挑みましたが、転倒でした。うーん勿体無い。とはいえ、男子はクワドを飛べるものの勝負になりつつあるからなあ……。解説ではスピンの回転が足りてないのでは、とも言われていました。
ジェレミー・アボット アメリカ
アメリカの選手が続きます。衣装は胸に蛇行する川のような赤と青の模様の入った黒の上下。曲はカルロス・サンタナの「Treat」
アクセルがシングルに。更に二つめのルッツで転倒してしまい、コンビが入らなくなってしまいました。スピンは綺麗でお客さんから拍手を貰っていたし、サーキュラーステップは良く動いていたんですが。ちょっと細かいミスも多かったかもなあ……。演技後は悔しそうな表情です。
ジャーリャン・ウー 中国
衣装はスパンコールの黒上下。曲は「All Alone」
2度の転倒がありました……うーん勿体無い。他にミスはなかったので、後はジャンプだけですね。でも、もうちょっと目立ったところがほしいなあという気もする……。
パヴェル・カスカ チェコ
チェコの2番手の選手。ヴェルネルの活躍により、彼も今年はワールドへ行けそうです。衣装は金色のベストに黒のシャツとズボン。曲はモダンアレンジの「くるみ割り人形」
アクセルはダブルを飛んでいました。まだトリプルはできないのかな? スピンはもうちょいスピードが欲しかったなーとか、最初のコンビが斜めになっちゃったかなー、というのはありましたが、ミスの少ない丁寧な滑りでした。実況からは注目かも、と言われています。
クリストファー・メイビー カナダ
曲はバレエの「スパルタカス」衣装は赤茶の時代衣装系チュニックと茶のズボンです。
最初の3−3コンビを綺麗に決めて、お客さんから拍手を貰っていました。ですが次のアクセルでは転倒。ああ勿体無い。他の要素はどれも綺麗に決めて、拍手もいっぱい貰っていたのに……。
スコア自体はめちゃくちゃ悲惨というわけでもなかったのですが、本人は頭を抱えていました。
ヤニック・ポンセロ フランス
かつて織田君や小塚君と一緒に、世界ジュニアの表彰台に上がったことのあるポンセロ選手。ですがなかなか弾けられずにいるようで……。衣装は赤と白のひらひらのついた黒の上下。曲は「秋によせて」です。
最初のアクセルが綺麗です。ステップアウトしてしまいましたが、4−2のシークエンスも決めました。良く成功させたね。途中ステップでつまづいたように見えるところもありましたが、良い演技だったと思います。フライングスピンは、大抵の選手はシットを選ぶのですが、彼はキャメルでドーナツになっていました。
キスクラでは嬉しそう。
ケヴィン・ヴァンデルペレン ベルギー
衣装は銀のラインの入った黒の上下で、胸に赤いハートが描かれています。曲はシルク・ドゥ・ソレイユの「エキゾチカ」
大技の4−3コンビに挑みましたが、後続ジャンプで転倒です。後の二つのジャンプは必死でこらえていました。スピンの最中にもちょっとバランスを崩していました。
うーん、あまり、いい演技とはいえなかったと思います。本人も落ち込んだ表情を見せていました。
<男子フリー>
ジェフリー・ヴァーナー アメリカ
曲は「グラディエイター」衣装は黒い飾りのついた茶のトップに黒のズボンです。
いきなり最初のジャンプがコンビにならずにステップアウトです。次のルッツはシングルに。ダブルアクセルはぐらついてて危ない感じです。ようやく綺麗なトリプルを決めた時は、お客さんから拍手が沸き起こりました。
スピンはもうちょい速く回ってほしいなという気も。体力配分を失敗したのか、終盤はバテてしまった感じです。かなり気の毒になってしまいました。頑張れ。
ジェレミー・アボット アメリカ
日米対抗と同じ、灰色の模様の入った黒い衣装。曲はワルツのメドレーです。
最初のジャンプを転倒しましたが、果敢に次のコンビをクリーンに決めました。ステップは良く動いていて見ごたえがあるし、スピンはとても綺麗です。
途中持ち直したかなあと思っていたら最後のステップでまた転倒……あああ、これさえなければ。しかし最近本当にステップの最中の転倒多いですね。
ミスはあったけれどいい演技でした。
ジャーリャン・ウー中国
曲はドヴォルザークの「新世界」衣装は白いフリルのシャツに黒いベストとズボンです。
このプログラムはコンビが3つ最初に固まっているのですが、それをどれもクリーンに決めることができました。ただそれで力を使いきってしまったのか、途中からちょっと集中が欠けた感じになってしまったのでは? という気がしました。転倒やステップアウトなど、ミスも目だっていたし、終盤は明らかにスピードが落ちていました。
ジャマール・オスマン スイス
玉虫のような金属光沢の衣装。曲は「ルナティコ」
中盤のフリップでの転倒がありましたが、他にミスはなかったです。中盤のアップライトスピンが特に綺麗で、拍手もたくさん貰っていました。終盤のストレートラインステップは、ノッてきたのかとっても楽しそう。やっぱり笑顔で滑り終えてくれると、見ている方としても気持ちがいいです。
スコット・スミス アメリカ
赤と黒の上着に黒いズボンの組み合わせ。曲は「アストゥリアス」
また大技のクワドに挑みましたが転倒一歩手前まで行きました(転倒したかと思った)次のアクセルは両足着氷です。
彼も終盤疲れが見えてしまいましたが、頑張って最後まで滑ってくれました。ジャンプがもっとクリーンに決まっていればねえ。
パヴェル・カスカ チェコ
映画「シンドバッド」衣装は黒い一体型で、波のような青い模様が入っています。
最初のコンビが綺麗ですね。続いてダブルアクセルからのコンビと、単独のダブルアクセルを飛びましたが、単独のダブルアクセルのところで突っかかったように足が止まってしまいました。どうやら靴紐が解けてしまったようです。ジャッジのところに行って、靴紐を結びなおすカスカ選手。
こういうことがあると、どうしても集中が切れやすくなると思うんですが、最後まで頑張ってくれました。フリップが一つダブルになりましたが、他にミスらしいミスはなし。拍手もたくさん貰っていました。PBも更新したようです。
ヴォーン・チッパー カナダ
SPでは映らなかった(根に持ってます)チッパー選手。曲は映画ダンス・ウィズ・ウルヴス。水色のシャツにベージュのズボンという、カジュアルな衣装です。
序盤のジャンプが高くて勢いあっていいです。ステップアウトやおてつきといった細かいミスもありましたし、アクセルが一つシングルになってしまいましたが、全体としては良くできた演技と言えるでしょう。PBも更新しました。
ケヴィン・ヴァンデルペレン ベルギー
曲は「アラビアのロレンス」衣装はアラビアテイストの金のベストに、白いシャツとズボンです。
最初に大技の4Tがしっかり決まりました。綺麗で文句のないジャンプです。続くアクセルも高い。コンビを全部終盤に入れるという、結構大変そうなプログラムなのですがミスなくこなしました。最後の方は疲れたのか動きが鈍りましたが、気迫で滑りきってくれました。演技後はガッツポーズ。えらい、よくやった!
クリストファー・メイビー カナダ
曲はジャズの「Sing Sing Sing」衣装は黒いシャツとズボンに赤いネクタイです。
音楽にあわせて楽しく踊りだしました。メイビーってちょっと地味な印象があったんですが(すいません)やるじゃないですか。可愛いですよ、とっても。音楽に乗せてジャンプをどんどん決めていきます。途中のステップは茶目っけたっぷり。お客さんも大騒ぎです。音楽に乗せて綺麗に決めてくれました。観客拍手喝采でスタオベです。うんうん、良かった良かった。
というわけでメイビーの新たな魅力を発掘した貴重なプログラムでした。
ジェフリー・バトル カナダ
模様の入った白いシャツに、水色のカフスのダークブルーのスーツぽい衣装です。曲は「アララトの聖母」
最初のコンビがとてもいいです。ステップはどちらも綺麗でお客さんからは歓声が上がっていました。ですが終盤のルッツで転倒してしまいました。最後のスピンはもうちょっと回ってもいいような気も。
解説では「四回転をやるかやらないかで迷ったのでは」と指摘されていました。キスクラでも複雑そうな表情です。
ヤニック・ポンセロ フランス
曲は映画「ダヴィンチコード」衣装は赤い襟と縁取りのついた黒い上着と黒ズボンです。
SP2位といい位置につけたはずのポンセロ君ですが、それがプレッシャーになっちゃったのかなあ……最初の3アクセルがステップアウト、次の四回転が転倒、3ルッツがおてつきです。全体としてガタガタの滑りという感じです(私には足を痛めたように見えたんですが、どうでしょう?)途中のループがかなり変だったし、終盤のステップは動きがぎごちなかったし……。
演技後は落ち込んでいました。2年前の世界ジュニアを悪い形で引きずってないといいんですが。
ブライアン・ジュベール フランス
昨シーズンと同じ「ロミオとジュリエット」衣装は銀のラインの入った黒い衣装です。去年とちょっとマイナーチェンジしたようにも見えますね。相変わらずムキムキです(フランス男子はムキムキが多い気がする……ジュベールもアルバンもポンちゃんも、ダンスのオリヴィエもいい身体してるし。一方、ロシア男子は細いですよね)
クワドにこだわるジュベールですが、今回は最初ので転倒してしまいました。引きずらずにステップやスピンでしっかり動くところがさすがの貫禄ですが。ちょっと勿体無かったですね。本人も演技後笑顔なかったですし。
ジュベールが逃げ切りの優勝。2位は躍進のヴァンデルペレン、3位は地元チャンプのバトル、4位、5位は同じく地元のメイビー、チッパーと続きます。エキシビで三人もカナダ男子が滑ったのかー。ダンスのヴァーモイもいるし、ペアのジェシカさん達もいるし、女子のロシェットもいるし、カナダとしては悪くない結果だったんじゃないでしょうか。